2008年6月 3日

真珠の賢い選び方、買い方 その5

前回の続きです。

サイズ、色について書いてきましたので、今回は「形、キズ」についてです。

形・シェイプ

真珠には色んな形があります。
真円(しんえん)、ドロップ、ボタン、バロックが一般的なところですね。
形を楽しむのは大粒の真珠が前提と、私は考えます。
小さくなるほど歪みを見つけにくくなりますからね。

実際に真珠の形も流通過程で変わっていく現実があります。
流通していくうちに世間に揉まれて真珠が丸くなる...わけではありませんよ。
真珠専門業者の範疇にある間は「ボタン」に分類されていた真珠が、店頭に並んで販売員さんの目には真円に見えちゃうことがあるってことです。
そうすると販売員さんは「キレイな真円で、キズもほとんどなく...」といった商品説明をすることになります。
そういう説明を受けて商品を購入する消費者は真円だと思って購入するわけです。

誰が悪いという問題ではないのかもしれませんが、流通過程のどこかで誰かが「これはボタンです」という説明を怠ったことに原因のひとつなんじゃないかなと考えます。

販売員さんは意図的に価値を操作しているわけではなく、きっと真円に見えているのだと思います。
真珠の形を見極めるというのは、それほど厳密な世界なのです。

...なのですが、少なくとも商品が真珠専門業者の手中にある間は「ボタン」は「ボタン」として扱われ、値段も「ボタン」扱い(真円より安い)になっているわけですから、そこから先の流通過程での意図的な値段操作がないとした前提では、「すごくお値打ちです」とおすすめされた商品は実は「ボタン」である...という可能性は否定できません。

消費者がどう見ても真円の商品を「この真珠はほとんど真円に見えますが、実際にはボタンシェイプですから大変お値打ちです。」という説明が販売員さんからあったら、そのお店はかなり真珠のことを勉強していると思って良いでしょう。

さて、話をアコヤ真珠ネックレスに限定して形を考えてまいりましょう。
実はネックレスになって真珠が横並びにつながると、もっと個々の形がわからなくなります。
ましてや、身に着けて一定の距離を置いてしまえば、更にわからなくなります。
なので、ネックレスを安く上手に購入するひとつの方法として、「表面がスムースなら、形は少々歪んでいても良いです。」と自分から言うことが有効です。

アコヤ真珠の歪みは相対的に大きなものではありません。
真円の「核」に対して1ミリに満たない真珠層を重ねている状況で歪むわけですから、所詮歪みきれるものではありません。
上手く(?)歪みきることもありますが、歪みきっていれば一般消費者でも一目見て「歪んでいる」と判別できます。

バロックといわれるものの中には、表面が凸凹のものがあります。
これはカジュアル前提のネックレスをお探しの方向けです。
言葉の響きがいいですよね、バロック。
南洋真珠のバロックを選ぶのは「自分だけの...」という特別な意味あいがあったりしますが、アコヤ真珠のバロックは、南洋真珠のバロックとは存在意義が違いますので、避けたほうが無難です。

アコヤ真珠のバロックは9mmオーバーの世界でお考えになったほうが良いと思います。

キズ

形の部分を想定外に多く書いてしまったので、キズは次回持ち越しにさせてください。
m(_ _)m スミマセン

それから「ボタン」を歪みの代表のような書きかたをしてしまったことも、m(_ _)m スミマセン。
決してボタンに恨みがあるわけではございません。
消費者が見つけにくい度が高いので、例え話にご登場いただいたまでです。(笑)

というわけで、次回はキズについて書きます。

2008年5月27日

真珠の賢い選び方、買い方 その4

前回の続きです。

真珠は白くて丸いものと多くの方は思っていらっしゃることでしょう。
もちろん間違いではありません。
でも、よ~く見ていけば、とっても奥深い世界なんですよ。
というわけで、今回は色についてです。

色(カラー)

真珠の色を語る上では、まず「ボディカラー」と「干渉色」があることを知っていただかなくてはなりません。
ちょっとこちらをご覧ください。 
アコヤ真珠のサンプル画像
キレイなアコヤ真珠です。
この画像をご覧になって、何色と表現しますか?
決して「白」では片付けられなくないですか?
色の定め方、呼び方は真珠業界内でも統一されたものはなく「ニュアンス主義」となっておりますので、この真珠画像の色を "私流に" 表現しますと、「ボディカラー:ホワイト、干渉色:ブルーイッシュピンク」です。
何となくでもおわかりいただけますでしょうか?

では、まずはボディカラーについてです。
干渉色がその名の通り光を受けて浮かび上がるものである反面、ボディカラーは真珠自体が持つ絶対的な色をさします。
私流に種類は「ホワイト」「クリーム」「ゴールド」「ブルー」「グレー」です。
ブルーとグレーは「クロ」とひとまとめにされることがありますが、一般消費者に青く見えるものを「クロ」ですというのもいかがなものかと思いまして...
それから、「ナッパ」とかいろいろあるのですが、ここではマイナーなものは割愛させていただきます。

次に干渉色ですが、まずは大きく「ピンク系」と「ブルー系」に分けられます。
先述のボディカラーそれぞれに対して存在します。
ピンク系はその濃淡の差こそあれピンクです。
その点ブルー系は、私流の表現で「グリーン」、「グリニッシュピンク」、「ブルーイッシュピンク」と種類豊富です。

あわびの貝殻とか...もちろん真珠貝もそうですが、貝殻の内側がキラキラしてキレイなものがありますよね。
あのキラキラも理屈的には真珠と同じですが、貝殻を角度を変えて観察してみると、ピンクが出ていたり、ブルーが出ていたり、グリーンが出ていたりしますね。
真珠の干渉色の基本はそれらの貝殻にすべて含まれています。

一般的に「真珠はピンクが高品質」、「ピンクのほうが良い」と言われたりしていますが、実はそれは正解とはいえません。
そう誤解している人が多いせいか、日本ではピンクが売れやすいところがあり、需要バランスによって同じ品質でもブルー系よりピンク系のほうが高値で取引される現象はあります。
なので、「ピンク系のほうが値段が高い」ということはありますが、「ピンクが高品質の証」ということではありません。

要はどちらが自分に似合うか?相性がいいか?で選べばいいと思います。
「色が白いわねぇ~」とよく言われる人はどちらもある程度いけると思いますが、健康的小麦肌の人はピンク系の指名買いが良いでしょう。

パーソナルカラーに覚えのある方なら、自分の色で選んでいただけば良いでしょう。

では例によって、話をアコヤ真珠ネックレスに限定して、しかも今回はボディカラー「ホワイト」に限定して特徴を書きます。

ピンク
やわらかい印象で、抜群の落ち着きを持っています。
経年変化により将来赤茶っぽくなる傾向があります。
選ぶときのポイントは1本のネックレスの中で、濃淡にかかわらず、なるべくピンクのトーンが揃っているもの。

ブルーイッシュピンク
ブルー形の中でもっともピンク寄りです。
ピンクより軽く、若々しい印象です。

グリニッシュピンク
ブルーイッシュピンクよりブルー要素が強く、主役はグリーン、ピンク少々といった感じです。
選ぶときのポイントはボディカラーがなるべく白いもの。
理想を言えば、ゼリーのようで、触ったらプニプニしてそうな感じ。(笑)

グリーン
ひたすらクールな印象で、人を選ぶカラーです。
供給量が少ないので、狙っている方は見つけたら即買いをお勧めします。
選ぶときのポイントは1本のネックレスの中で、濃淡にかかわらず、なるべくグリーンのトーンが揃っているもの。

それでは、今回はこの辺で。
次回は「形、キズ」について書かせていただきます。

2008年5月16日

真珠の賢い選び方、買い方 その3

前回の続きです。

さて、ネットで情報を収集してある程度の知識を身につけましょう!といったことを書かせていただきましたが、私もここで「超簡単!真珠ネックレスの価値要素 ポイントはここだ!」を書かせていただきます。
今回はサイズについてです。

サイズ

アコヤ真珠のネックレスの標準タイプは 7-7.5mm とか 7.5-8mm といった具合にサイズ表記されています。
これは 「7mm以上、7.5mm未満」、「7.5mm以上、8mm未満」の真珠で組み上げていますよという意味で、0.5mm きざみの展開となっています。

実はネックレスを組む段階では、その半分 0.25mm まで選別しています。
7-7.5mm の場合は、7-7.24mm と 7.25-7.29mm から組み上げられます。
センター付近に 7.25-7.29mm、両裾に 7-7.24mm を使用します。
ゆるくて、大雑把なグラデーションになっているわけです。

時々大小を逆に表示しているお店を見かけます。
「7.5-7mm」とかですね。
これは「真珠は品質が同等であれば、サイズが大きい方が高価」という部分を、強調した表記と言えるかも知れません。
よく見れば「7-7.5mm」ですし、業界内にはサイズ表記の取り決めもありませんので、お店の自由としか言えませんが、一見 7.5mm と間違って認識してしまいそうです。
誤解して買ってしまうことのないように注意しましょう!

さて、次に「1本であらゆる場面をこなしたい」とお考えの方におすすめのサイズを断言しちゃいます。
・ 7-7.5mm
・ 7.5-8mm
・ 8-8.5mm
から自分の体格にあったものを選びましょう!
自分にあったものを考えるのも面倒くさい、よくわからないという方は「7.5-8mm」がいいでしょう。
「7.5-8mm」を選んでおけばまず間違いありません。

では、これら3サイズについて、もうちょっと細かく特長をみてみましょう。

7-7.5mm
多くの方にとって少々小ぶりだなという印象かもしれませんが、20代女性が身に着けても「借りてきた感」を感じさせません。
7-7.5mm を選ぶポイントは、「値段ありき」で考えた場合、この3サイズの中では一番品質の良いものが買えることです。
小ぶりで高品質なネックレスは上品で、知的な雰囲気を漂わせます。
そして標準より少し短く仕上げたものは、そんな雰囲気をさらに高めてくれます。
ご家族の方から、成人のお祝いに...という場面で特におすすめです。
40代になったらもうちょっと大きいのが欲しくなるかもしれませんが、そう思ったらそのときにご本人が自分で買うでしょう。(笑)

7.5-8mm
永遠の定番サイズです。
「似合うとか似合わないとかより、失敗や後悔のないようにしたい」というお気持ちの強い方には断然おすすめです。
市場に出回る量も少なくないので、どのお店でも在庫していて比べやすい(=選びやすい)のも良い点です。
将来もうちょっと大きいのが欲しくなるかもしれませんが、それは必要性を感じてのことではなく、ステップアップの意味合いでしょう。
第三者が見て「あの方のネックレスはちょっと小ぶりね」と言われるものではありません。

8-8.5mm
品質が同等の場合、前述の2サイズに比べ急に値段が高くなります。
それでも 8-8.5mm が欲しいと思うのは、その高貴な存在感ゆえのことでしょう。
30代半ばでネックレスの購入をご検討中の方は、選択肢の一つとしてチェックを忘れないようにしましょう。
確実に一生使えます。
ただ、8-8.5mm を選ぶ際にはより慎重になって値段と品質のバランスを見極めてください。
もともと高価な品物なので、高くて当たり前です。
相場から随分安いものを見つけても安易に手を出さず、安い理由を納得がいくまでお店に訊いて、スッキリしない場合は見送ったほうが良いでしょう。

長さについて
価値要素とは無関係ですが、サイズと密接な関係にあるのが「長さ」です。
最も標準的な真珠ネックレスの長さは「約42cm」ですが、個体差や金具(クラスプ)の違いにより、数本並べてみただけでも 1cm くらいは平気で違っています。
クラスプが付いておらず、仮糸を通した状態を「連」(れん)と言います。
業者間取引の多くはこの連の状態で行われます。
連は通常「16インチ」で組まれています。
(もちろん工業製品ではありませんので、この時点でかなりの個体差がありますが。)
16インチ=40.64cm ですから、連は40.5cmとして、これに 1.5cm 幅のクラスプをつけた状態で 42cm。
これが真珠ネックレスの標準的な長さが 42cm と言われる所以です。
しかし実際には先述のとおり数センチの誤差が出ていることも珍しくないので、最後は身につけて確認しましょう。
「自分の首周り + 10cm」があなたの標準だと覚えておくと良いでしょう。
ここから ±4cm 以内で微調整されますと、きっとお気に入りの長さが見つかるでしょう。
ネックレスを短くする場合ですが、真珠の粒を抜くことで短くしますので、7mm、8mm 単位での調整となります。
抜いた真珠は小さな袋などに入れ、ネックレスと一緒に保管していただくことをおすすめします。
お店によっては抜いた真珠でイヤリング、ペンダントといったアクセサリーをつくることをおすすめすることもあるようですが、ネックレスの真珠は穴が貫通している(両穴と言います)のでデザイン的な制約がありますし、ネックレスを標準の長さに戻そうと思ったときに不足分を購入しなくてはならなくなります。
その際にネックレスの真珠とのマッチングの関係で思わぬ高い買物になってしまうこともあり得ますので、ご注意ください。

それでは、今回はこの辺で。
次回は「色」について書かせていただきます。

2008年5月13日

真珠の賢い選び方、買い方 その2

前回の続きです。

さて、では真珠の勉強をするための情報収集はどうすればよいでしょうか?
私のおススメはこれらです。
真珠科学研究所
真珠総合研究所

あとは真珠のオンラインショップ各店がそれぞれの価値観で「真珠の選び方」といったようなページを用意していますので、いくつか読んでみてください。
真珠のオンラインショップは、Google や Yahoo! などの検索エンジンで、次のようなキーワードで簡単に見つかります。
「真珠」「真珠ネックレス」「パール」「パールネックレス」「真珠 店」
あるいは、楽天市場や、Yahoo! などのショッピングモールの検索窓に「真珠」と入力していただいても良いでしょう。
半日くらいネットサーフィンしていただくと、かなりの知識を得ていただけると思います。

さて、情報は増えてくると整理しなくてはなりませんね。
ショップのコラムや記事は、「お店的にこう解釈している」という基準で書かれていますので(私のこのコラムも超個人的見解ですけど...)、A店とB店で違うことを書いていたりします。
たぶんどれも正解です。

それらの情報整理の判断は自分でしていただいて良いと思います。
いろんな意見があって、自分が最も同調できるものを自分の基準としていただけば良いと思います。

というのも、私がこれまでに見た限りでは「巻き(真珠層)は薄いほうがいい!」とか、明らかに間違った記述は見当たらず、基本的な部分を合意の上で「キズに関する考え方」だったり「染色に関する考え方」だったり、真珠が持つ個性をお店がどう判断するかという点で意見が分かれている程度だからです。

特に真珠ネックレスの場合は「買って終わり」ではなく、糸替えなどの定期的なメンテナンスが必要になってきますので、購入してからショップとのお付き合いが始まるとお考えいただいたほうが良いでしょう。
ですから、真珠に対する考え方に同調できるお店から購入する方が安心して永くご使用いただけることと思います。

では、話を進めてまいります。
科学的な切り口による真珠のウンチクは適当に流していただいて OK だと思います。
重要な部分は、真珠を選ぶ際にチェックすべき要素です。
チェックすべき要素とは、サイズ、色、形、キズ、照り、巻きの六つで、ネックレスの場合これに連相が加わり七つとなります。

次回から、アコヤ真珠のネックレスに話を限定して、各要素のポイントをご紹介します。

2008年5月 1日

真珠の賢い選び方、買い方 その1

「真珠が店頭に並ぶまで」と称して、とても簡単に流通のしくみを書かせていただきました。

今回からは店頭に並んだ後のこと...
失敗しない真珠ネックレス選びのコツを書こうと思います。
そんなに頻繁に更新できていないので恐縮ですが、よろしくおつきあいいただければと思います。

では、はじめにあくまでも私個人の見解ですが...
パールジュエリーを選ぶポイントは価値を見る以前に、自分と波長が合うか?ってことだと思います。
お店で一目惚れしたジュエリーは、金額的に頑張ってでも手に入れておくと、とても長く使えます。
そして一般的にジュエリーは量産品ではありませんので、その場を逃してしまうと再会できる可能性は極めて低いことも忘れてはいけませんよね。
後になって「やっぱりあれが欲しい」と探すものの、「似たものでは満足できない」のもジュエリーの特徴ではないでしょうか?

ところが、真珠ネックレスはジュエリーとは違う側面があります。
「マナー」としての必要性の高さです。

成人のお祝いに両親から真珠のネックレスをもらっても、「ダイヤのほうがよかった」とか「洋服のほうがよかった」と思う人は多いと思います。
年齢的に真珠ネックレスの必要性を感じることが少ないうえに、着ける場面が想像しにくいからかもしれませんね。
二十歳の女性が滅多に使わないものにウン十万円ものお金を掛けることを「もったいない」と思うのは自然なことです。

しかし彼女たちも、もう少し年齢を重ねて、社会人としての経験を積むにしたがって「いつかは必要なもの」へと認識が変化していきます。
「喪の席でもそろそろ真珠ネックレスがあったほうがいいかも...」という考えも出てきます。

更に、多くの女性にとっては子供が生まれ...
その子供が幼稚園に入園するころになると、「入園式には真珠のネックレスをつけよう」と自然に思うようになるようです。
つまり、これはジュエリーとしてではなく、マナーとして必要であるという判断なのではないでしょうか?

そうなると真珠ネックレスは「必要なもの」となりますね。
その時点ですでに持っている人はいいですが、持っていない人は購入を検討しなければなりません。

さて、マナーとして買う真珠ネックレスをどう選ぶか... 難しい問題です。
大抵は「真珠ネックレスは丸くて白い真珠がつながりあったもの」というイメージでお店に出かけます。
右の品物も左の品物もまったく同じに見える状況で「一目惚れ」なんてありません。

わからないので、店員さんの説明を聞き、いくつか試着して、考えて、決める...
ということは、店員さんの知識にものすごく左右されてしまいますよね?

近頃の消費者の真珠ネックレスに対する価値観は以下二つに分かれる傾向があります。
・とにかく安いもの!真珠のネックレスであれば、種も問わない。1万円以内で!
・普段使いまでは考えないが、せっかく買うので品質がしっかりした一生使えるモノ!

前者の場合は、多くの方にとってやり直しがききますが、後者の場合は大きな金額になりますので失敗できません!

せっかくですから、それを機会に真珠のことを少し勉強して、自分なりの価値観を持った上でお選びになってはいかがでしょうか?
きっと満足の買物ができて、自分のネックレスに対して、より大きな理解と愛着をお持ちいただけることと思います。

では、情報収集の方法について次回ご案内します。

「今ネックレスを買おうと思っているから、今知りたいんだけど!」というかたは、コンタクトページからメールでご連絡いただければ、お返事させていただきます。