真珠袋とは何でしょうか?
前回のエントリーで「真珠とは真珠袋内部でできた物体のこと」と書きました。
じゃあ、真珠袋って何なの?という部分を今回は書いていきます。
真珠貝の内側のキラキラした部分が真珠層だということをご存知の方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?
ご参考までに、反対の(貝殻表面の)ゲジゲジした面を「稜柱層(りょうちゅうそう)」といいます。
真円真珠が発明される以前に養殖で作られていた「半径真珠」といわれるものは、貝殻の内側に半球の型(核)をひっつけ、その形に合わせて真珠層が成長した部分を削って利用したもので、今はマベ貝がその代表となっています。
では、その真珠層を作り出しているのはどこの誰かといいますと、「外套膜(がいとうまく)」です。
外套膜とは貝殻の内側(真珠層)に密着していて、同時に内臓を覆っています。
貝殻と内臓の仕切り膜と言ったほうがイメージしやすいでしょうか?
真珠貝として知られたもの以外の貝でも外套膜を持っています。
外套膜と貝殻は密着していると書きましたが、正確には両者間に外套膜外液という粘性の高い液体が存在し、この液体が少しずつ固体化して貝殻になります。
と、ここまでは前置き。
なぜそこからはじめたかといいますと、この外套膜が真珠づくりにとても大切な役割を担うからです。
アコヤ貝に核を挿入すると真珠層が巻きつき真珠になるという説明を多く目にしますが、貝が核に真珠層を巻きつけていくわけではありません。
天然真珠の説明で「砂が体内に入り、異物から身体を守るため...」というのも間違いです。
もしそれが正しいなら、挿核手術のときに核だけ入れればいいということになりますよね。
でも実際には核にピースと言われる細胞をひっつけて入れています。
このピースの正体が外套膜で、真珠づくりの主役なのです。
ピースはアコヤ貝からとった外套膜を 2-3mm角 に切ったもので、母貝の体内で栄養分を摂取しながら核に沿って成長していきます。(正確には細胞が自らを本来の形に再生しようとします。)
これはピースが袋状に成長する性質をもっているからです。
そして最終的に核を覆いつくします。
真珠袋の完成です。
真珠袋が完成すると、外套膜が貝殻をつくる要領で真珠袋内側に外套膜外液を分泌し、核の面に真珠層が形成されていきます。
こうして真珠が完成します。
ここでお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、真珠をつくるために不可欠なものは核ではなく、真珠袋だったのです。
核は「真円真珠」をつくるために用いられた「型」であって、理屈的にはピラミッド型の核を用いればピラミッド型の真珠ができることになります。
外套膜の細胞が成長して袋状になり、その内部で真珠が作られるのです。
天然真珠と養殖真珠を鑑別する方法として、レントゲンで真珠内部を確認し、ピースがあるものが養殖真珠...という説明を目にすることがありますが、これは間違いです。
ピースは真珠袋に成長し、その中で真珠ができるので真珠の中にピースが残ることはありません。
その天然真珠ができるのは偶然の結果と言われます。
それゆえ大変に希少なものだと...
確かに偶然の結果ですが、その偶然とは、よく言われる「砂などの異物が体内に入ったこと」ではなく、「外套膜が破損して破片が体内に入ったこと」なのです。
神秘的ですねぇ♪


コメントする