2008年4月15日

真珠が店頭に並ぶまで まとめ編

4回に分けて書いた記事ですが、ここにまとめておきます。
一部修正しています。

私たちジモティーには知られたことでも、全国的にはとってもわかりづらい真珠の素顔。まずは、真珠が店頭に並ぶまでを簡単♪に書いてみます。
真珠もたくさん種類がありますが、ここでは和珠とも言われます「アコヤ真珠」について書いていきますので、予めご了承くださいね。
Let's go!
======☆(((((((((・ω・。)ノ ♪

① 真珠の母貝は養殖屋さんがつくっています。

真珠をつくるには貝が必要です。
アコヤ貝のことです。アコヤ貝から採れる真珠なので「アコヤ真珠」と言われています。

参考:同様に白蝶貝から採れるものが白蝶真珠、黒蝶貝から採れるものが黒蝶真珠と言われているわけです。淡水真珠の母貝は主に池蝶貝です。

さて、真珠をつくるために必要なアコヤ貝は海から採ってくるわけではなく、人間がボイラーの中で養殖しています。
最初は塵くらいの大きさで肉眼で確認するのは難しく、薄暗いボイラーを設置したスペースで水面を懐中電灯で照らしてみると埃が水中を舞っているのが確認できます。
これが稚貝です。

そこから真珠養殖に使える大きさになるまで貝を育てていくのです。

稚貝はすべての養殖屋さんが個々につくっているわけではなく、ごく一部の人がつくり、ほとんどの人はこの人から分けてもらったり、また全国の真珠組合の横繋がりで売買されたりしています。

② 真珠は養殖屋さんがつくっています。

ちょっと前のクルマのCMで父が海に潜って貝から真珠を採ってくるやつ、ご存知でしょうか?
本当にあんなことがあったらロマンティックで素敵ですよね。
あと、これは素敵とは言えませんが、試験管で調味料を使って「成分的、理屈的には真珠」をつくる先生もいるそうですです。これは流通しておりませんのでご安心ください。

今一般的なお店に並ぶ真珠は養殖真珠で、天然真珠ではありません。
養殖真珠ですから、養殖屋さんが手塩にかけて貝の世話をしてつくり出された物です。
真珠をつくるのはあくまでもアコヤ貝であって、人間は貝の世話をするわけです。

~余談~
天然真珠って?
クレオパトラが粉にして飲んだと言われるほど古くから知られていた真珠。
もちろん当時は(っていうか養殖の歴史のほうが圧倒的に短いのですが)養殖技術はありませんから、すべて天然だったわけです。
なので、アンティークジュエリーで使われている真珠は天然真珠です。
米粒ほどの大きさのものが多いです。
今ではケシ真珠(単にケシとか、ケシ珠と言われます)を天然と称して販売しているお店も見かけますが、核を持たないという点で共通するものの、ほぼ全て養殖場でできたものですってことは書いておきます。
~余談ここまで~

養殖屋さんの仕事は、珠入れ(挿核手術)、浜揚げ(真珠を採り出す)がメインイベントとして、よく知られていますが、実はこの珠入れから浜揚げまでの貝の世話が大変です。

海中で貝に付着するフジツボなどを、成長の妨げにならないように落とす「貝そうじ」といわれる作業があり、
貝は生物ですから水温にも気を使わなくてはなりませんし、
台風が直撃しそうなときには非難させたり...

まさに手塩に掛けて育てるわけですが、赤潮などにより貝を全滅させてしまったり、数年前から問題になっている原因不明のへい死問題もあり、ダイヤなどの宝石と真珠が大きく違うところは自然環境によってできが大きく左右されるところではないでしょうか。

もちろんダイヤにはダイヤの大変さがあって、決してそれを軽んじているわけではありませんが、真珠の養殖屋さんも大変なんだという認識を少しでも多くの方に持っていただけると嬉しいです。

今の日本の真珠養殖環境は死活問題に直結しつつも頑張る養殖屋さんの努力があって成り立っています。
ところが、養殖が難しくなりはじめたとき、日本は平成大不況。
真珠は本来売買されるべき価格を維持できず、安値低迷状態です。
とても残念なことですが、継続のための低迷期だったと後に言えるようになればと希望します。

③ 入札会、示談で加工屋さんへ。

さて、浜揚げ(=母貝から採り出された)された真珠のほとんどは、そのまま使用できるほどキレイではなくて...

~余談~
花珠
そのまま使用できるキレイさで生まれてきた真珠を養殖屋さんたちは「はなだま」と呼びます。
その量については一概には言えませんが、1年で1粒とか、そういうレベルでお考えください。
近頃では「今年ははなだまゼロだった」なんてことも珍しくありません。
花珠については別の記事でもうちょっと突っ込んでみようと思っています。
乞うご期待♪
~余談ここまで~

真珠をジュエリーに仕立てるには加工が必須です。
市場に出回るアコヤ真珠のほとんど(100%に限りなく近い)は加工されています。
昔からずっとそうなっていますので、驚くことではありません。
むしろ昔のほうがきつい染色を行っていたほどです。

浜揚げされた真珠は全国各地の真珠組合が開催する入札会に出品され、加工業者や大卸がこれらを落札します。
また、養殖屋さんによっては加工業者と直接取引する示談を行うこともあります。

加工屋さんにやってきた真珠はまず用途選別されます。
これは形やキズを見て、似たもの同士をグループにまとまる作業といえばわかりやすいですかね?
一般的にキズの少ないものを指輪などのジュエリー用、ジュエリー用にはきびしいキズがあるものをネックレス用とします。

次に真珠は穴をあけられるのですが、用途によって穴のあけ方が変わってきます。
ジュエリー用は片穴(かたあな)といって核の中心部あたりまでの貫通しない穴をあけます。
ネックレス用は両穴(りょうあな)といって穴を貫通させます。

次は「シミ抜き」です。
母貝の中で真珠層を形成していくときに、不純物を巻き込んでしまうため、真珠層内部に影のようなものができてしまいます。
これをシミと呼んでいます。
化学的にこのシミを除去します。
そして染色(調色)へと過程を進めます。

真珠のマッチングは神経質になると果てしなく、大ざる一杯の真珠からそっくりのペアを一組探し出すのも容易ではありません。
なので、可能な限り高い位置での妥協点でマッチングをするのですが、そのマッチングレベルを上げるために、色を人工的に整えてあげるわけです。

これらの加工は、お化粧と捉えていただけばよろしいかと思います。

そのようにして真珠はジュエリー用のルースとして、ネックレス用の連として、卸の世界へと移っていきます。

④ いよいよ消費者に近いところへ流通していきます。

真珠業界には数え切れないほどの卸商の方々がいらっしゃいます。
伊勢の真珠商のほとんどは、この卸商にあたります。

卸商の方たちは小売店への卸し、百貨店の催事で自ら販売に立ったり、同業者とのお付き合いもあったり...と、精力的に商売をなさっています。
最近ではインターネット上で真珠の販売をする方も多く見られます。

真珠には明確なグレーディングがありませんので、値段と品質が必ずしも明確な階段状になっていないのは否めない事実です。
その要因の一つに流通の形態があるんじゃないかな?と個人的に思っています。
まあ、結局は真珠に限らずの話ですけどね。

逆に考えると、そういう点でわかりやすいのは「鑑定つきのダイヤモンド」と「石を使っていない地金ジュエリー」だけと言えるかもしれません。
製造時期による違いはありますが、その時々で相場が公開されていますから。

婚約指輪の購入をご自分で比較検討された方なら、意味をわかってもらえると思います。

さて、話を真珠に戻しまして...

そういうわけで真珠は、一般消費者が値段の見当をつけられない商材です。
実は見当がつかないのは一般消費者だけではなくて、小売店店主や販売員さんでも「真珠はわからん」とおっしゃる方が結構いらっしゃいます。
誤解のないよう、追記しておきますが、その方たちが不勉強なのではなくて、「何でこのネックレスがこんな値段で売れるんだ?」と信じられないゲリラ的商品がオークションなんかで出ていたりするのを見ると、「真珠はわからん」となってもしかたないと思うのです。また、真珠専門店でないなら、勉強になるほど真珠に触れられないこともあると思います。

流通の面から見ますと、同じ商品でも...
メーカー ⇒ 小売 で店頭に並ぶ場合と、
メーカー ⇒ 大卸 ⇒ 中卸 ⇒ 小卸 ⇒ 小売 で店頭に並ぶ場合で、店頭価格に違いが出てしまうのは当然のこと。
後者のルートで商品を仕入れてしまった店主から見ると、メーカーが在庫処分で直販する商品の値段は意味不明となります。

じゃあ、小売店がメーカーから直接仕入れればいいじゃんというのも一つの解決策ですが、たくさんの中間業者がすでに存在している業界の構造を変えるのは、かなり難しいことです。

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