2008年1月31日

英語キャラな自分 まとめ編

数回にわけて書いた記事ですが、ここでまとめておきます。
意味不明な内容が多かったのでかなり修正しております。

英語力が伸びるにしたがって、英語で聞いて英語で答えるようになります。

日本で暮らしている日本人でも、外国人に「ハロー!」と言われれば即座に「ハロー!」と返す。
これが普通ではないでしょうか?

そんな感じで徐々に日常の会話が成立するようになっていきます。

海外生活で習得する英語は、単語を覚えるというよりフレーズで覚えていく感覚で、そのフレーズを「こういう場面で使う」と "身につけていく" のです。

会話の中で「A」と言われたことに対して「B」と答え、たまたまそれがウケルと次回も「A」と言われると「B」と返すようになります。
また、映画やドラマを見ていて気に入ったフレーズは蓄えていきます。

それと平行して私のような根がバーテンな男(笑)の場合、アメリカで暮らせばアメリカキャラ、オーストラリアで暮らせばオーストラリアキャラになり、言葉と一緒にその環境の中でスムーズにやっていくためのキャラを着るようになりました。

映画館に行くと、それが義務であるかのようにコーラ飲んでポップコーン食って「Yeah!」です。
日本ではカチンときていたような店員さんの不手際も、アメリカキャラの自分は寛大に受け止めたりします。

そうやって徐々に自分の新たなキャラが立つようになり、気がつくと「あれ?ちょっと日本語の自分とキャラが違うんじゃないの?」と思う場面がある...って、私だけでしょうか?

そもそも日本語のキャラは、英語のキャラクターから派生したと思いますが、ここで私がキャラと言いますのは attitude のほうが近いように思います。

アメリカにはアメリカの、オーストラリアにはオーストラリアの好まれる attitude があり、自分なりのアンテナで感じたキャラを着ました。
周りに馴染みたい、溶け込んでいきたいという気持ちが強かったと、言い訳しときます。(笑)

では、アメリカキャラな自分に出来て、他のキャラでは出来ないことの例を書きます。

アメリカキャラな私は他人を褒めることに一切の抵抗や、恥ずかしさを感じませんでした。

例えば、日本で素敵なジュエリーを身につけていたり、とてもその人に似合う帽子をかぶっていたりする人を見かけても、「お似合いですね」と声をかけることはありません。
心ではそう思っているのですが、恥ずかしくて言えません。
また、私が「お似合いですね」と声をかけることで、相手の方が恥ずかしくなってしまったりして、かえって迷惑をかけるのではないかという思いもあります。

でもアメリカでは一日一善じゃないですけど、出かけると一度は誰かの何かを褒めました。
何も恥ずかしくなかったですし、相手も "Thank you." とニッコリ返してくれるだけで、「ゲェ!ナンパしてきた」といった空気は一切ありませんので、そこがポイントだったかもしれません。

私自身もストレートのロン毛だったころは、女性によく髪の毛を褒めてもらいました。
もちろん "Thank you." と答えるだけで、それをきっかけにナンパしたことはありませんよ。

オーストラリアにはそういう空気はありませんでしたので、出来なかったです。

それから、何といっても「当たって砕けろ!」ですね。

若者の専売特許です。
ある程度大人になると「砕けない方法」を考えて、計画的に物事に取り組まねばなりません。

渡米前の私はどちらかというと楽観的で「ミュージシャンになりたい」という夢以外のことはどうでもいいこととして、とにかく考えることや努力を一切しませんでした。
すべてが成り行きまかせで、大人から見たら「無気力」だったかもしれません。
そういえば私たちの世代は世間から「新人類」と言われていました。

そんな私が「当たって砕けろ!」を実践しはじめたのは、渡米してからのことでした。
帰国してからも実践しているわけではありませんので、やはりこれもキャラのひとつだったんだと思います。

日本にいた頃は親や友人たちが力になってくれたり、意見してくれたり...
同級生がするように自分もしておけば流れに乗れたり...
ある意味周りがどうにかしてくれるところがあったので、「当たって砕けろ!」的な行動を起こす必要はなかったんだと思います。

ところがアメリカでは親も友人たちも遠く離れてしまい、家庭用ファックスさえほとんど普及していなかった時代ゆえ、限りなく一人になり...東京時代より一歩進んだ一人暮らしがそこから始まりました。

一人でいると電話は全く鳴りませんし、誘ってくれる友人もいません。
自分から行動を起こさないと何も始まらない環境だったので、「ハッタリ上等!」「当たって砕けろ!」にならざるを得ませんでした。

アメリカはそんな若者に寛大で大勢の人たちにたくさん助けてもらいました。
出会う人みんなが、その場でその人たちに出来る最高の仕事で私を導いてくれました。
アメリカ人の正義感や、自由を愛する気持ちはこういう体験をするとよくわかるようになります。

ただ、そういう精神の上に成り立っていない私は「あれ?そういうものなの?」と勝手な思考が芽生え、2度、3度と助けられると完全に自分を誤解します。
...ていうか、していました。

今考えると激しい無知を掲げて無謀の連続、ポジティヴに表現すると行動力抜群!
常に全力でそれなりに充実した時間だったと思いますし、あのテンションでなければ堕落の生活しかなかったんだと思います。
3年しかいなかったのでそれですんでいたのでしょう。
もっと長くいたら、きっとキツイおしおきを受けていたと思います。

海外生活を終えて帰国し、早13年。
日本社会でサラリーマンの端くれとして生活してきました。

さすがに、海外で生活していた頃の自分とは価値観が大きく違った私が今ここにいて、
「もうあの頃のようなキャラは意識しても着れないなあ...」
と感じたことから「英語キャラな自分」として自己分析をしてみようと思ったわけです。

同じ私であっても、初めての海外生活がオーストラリアのときのようにサラリーマンとして海外赴任する状況であれば結果は違ったものであったと思います。

2008年1月17日

ブラックレイン まとめ編

数回にわけて書いた記事ですが、ここでまとめておきます。
一部修正しております。

今はなき松田優作さんの迫真の演技で話題になった映画「ブラックレイン」を観にいったときのことを書きます。

私は平日の夕方一人で映画館に行くのが好きでした。
むちゃくちゃ空いているからです。
タイムズスクエアあたりの大きな劇場に行くとスクリーンはデカいし、音響も良かったりするのですが、私はアパートに一番近い劇場が好きでした。
お客の肩の力の入り具合がタイムズスクエアとは違ってリラックスしているので、ある意味自分の場所というか...

そもそも、映画を見に行くという行為自体が日本とアメリカでは大きく違います。
アメリカでは日常の中にあり、日本のようなイベント性は薄いです。

映画を観るためにバスや地下鉄に乗って出掛けていく時点でイベント行為となり、エネルギーを使います。

私は「退屈だな...映画でも行くか」と、ふらっと出掛け、チケット売り場で何を観るか決めるのが好きだったので、ゆるい日常の中にあるものであって、だからこそ週1本くらいのペースで観にいけていたと思います。
日本では全く行っていません。
映画館にフラっと歩いていける場所に住んだことがないからです。

さて、話をブラックレインに戻します。
この映画に関しては予告編で観ていて、絶対に初日に観ようと決めていました。
チケット売り場に行列はありませんでしたが、それは私が開演ギリギリに行ったからだということを中に入って知りました。
すごい混雑で自分一人分の席を探すにも時間がかかりました。
ようやくひとつ席が空いていることを確認し、その場所はブロックの真中あたりだったので、"Excuse me."を繰り返しながら座っている人たちに足を縮めてもらいながら...ようやく席にたどり着いたときにライトが落ち始めました。

私の両隣は黒人カップルでした。(後に意味を持ってきます...要チェック!)

映画が始まり、なんでアメリカ人がイメージすると日本の町並みってこうなるの?と、その「アホさ加減」に苦笑していたのも束の間...
話は盛り上がっていきます。
観客の盛り上がり方もスゴイです。

もちろん私の周りの人たちはマイケルダグラス応援団なわけで、松田優作をはじめ悪役俳優たちは気の毒なほどにブーイングを喰らっています。

本当にあり得ないほど会場が盛り上がり、異様な空気が充満し始めました。
私はふと自分の身の危険を感じ始めました。

「ヤバイ...今すぐ出たほうがいい」

何がヤバイってこれだけの人数がハイな状態で、スクリーンの中の日本人たち(高倉健さんを除く)に罵声を浴びせています。
「何だオメェ、日本人か!」なんてことになりかねません。
アメリカは怖いのです。
口喧嘩にのせられて刺されるなんてことが現実に起きるところです。
トラブルの匂いがしたら「逃げろ!」「逃げろ!」です。

右を見るとカップルがひざ上ダッコ状態で...
左も同様にひざ上ダッコ状態...
しかもむちゃくちゃ盛り上がってます。

「ヤバイ...出れない」

現実問題として逃げれません...

ブラックレイン公開初日のほぼ満員状態の劇場。
マイケルダグラスが日本人俳優を殴るたびに "Yes!" "Yeah!" と場内は大盛り上がり。

日本人の私は完全にヤバイ状況で、劇場を出るタイミングを間違えてはいけません。
映画はまた別の日でも観れますし、最悪ビデオで観ることもできます。
出るタイミングを間違えて「こら日本人!」なんて挑発に乗せられてしまっては、とても面倒なことになります。

私は映画どころではなくなり、いろんな場面を想定して、シナリオ作りです。
 ・中国人だと言う
 ・韓国人だと言う
 ・空手の真似をする
 ・友達になっちゃう(笑)

どれも駄目です...

スクリーンではマイケルダグラスと高倉健がストーリーの終わりを思わせる状況です。
両隣は変わらずひざ上ダッコ状態。

スクリーンにはクレジットが流れ始めました。

すると...

左側のダッコカップルがすっと立ち上がり移動を始めるではありませんか!
やった!
当然私もこのカップルについて通路に出て、そのあとは猛ダッシュ!
大げさに言っているのではなく、マジで館内猛ダッシュです。
映画館の出口を出て、通りの角を曲がったときようやくホッとしました。

在米中はとにかくトラブルに巻き込まれないように気をつかっていました。
前に書いたことがあるツバ事件のように、誰がいつどんな言葉や態度でキレるかわかりませんし、簡単にナイフだ銃だって話になりますから...大人はそうでもないのですが、ティーンエイジャーは本当に要注意です。
ニューヨークに行って、前方にティーンエイジャーがたむろしているような場面に遭遇した場合、引き返すか、道を曲がってください。
引き返してもいいです。

そんなこんなで映画の中盤以降はほとんど観ていないような感じでしたが、一箇所「お~っ!」と声を上げそうになったのは、ガッツ石松が登場したときでした。
「相変わらずだな~っ!」って。(笑)

2008年1月10日

海外生活 初級者編 食生活 まとめ編

数回にわけて書いた記事ですが、ここでまとめておきます。
一部修正しております。

なにはともあれ、食べなくてはなりません。

スーパーマーケットの食材は概ね1パックがものすごい量で、特に肉は1か月分か?とも思えるものです。
持って帰るのも大変です。
そういうわけか、たいていのスーパーには配達係り(デリバリーパーソン)がいて、わずかなチップで配達してくれます。
お年寄りにはありがたいサービスです。

私は食材を買って結局捨ててしまうのが嫌だったので(?)、キャンベルの缶スープをいつも利用していました。
具だくさん系、ドロっと系のものを好んでチョイスし、これを1合のご飯にかけて食べるのです。
ちょうどいい量だし、安いし、簡単だし、最高でした!

でも生来パンが好きな私はサンドイッチもよく食べました。
サンドイッチは自分で作らずデリを利用しました。

あちらでサンドイッチを注文するときは仕様を言ってあげなくてはなりません。
これは注文の仕方を知らなかった私が初めてサンドイッチを注文したときのやりとりです。

壁に貼られたメニューを見る。
何だかよくわかんないなあ...ここは無難にローストビーフといくか...
「ローストビーフサンドイッチください」
「どのパン?」
「えっ?」
「ヒーロー、ロール...」←店員さんが種類をベラベラと言い始めました。
...何だよ、わかんないよ。...んなもん何でもいいんだけど。 そんじゃあ...
「大きいやつ」
「ヒーロー?」
「そう」
バゲットのハーフサイズくらいのものを取り出す。
お~っ!結構、いやかなりデカイじゃん。
「これはヒーローって言うんだ。マイフレンド。今度注文するときはヒーローって言えばいい。」
「ありがとう」
「日本人か?日本に行ったことあるよ。」
この一言が妙にうれしかったけど、うまく会話を盛り上げられません。
「へえ、そうなんだ」
「レタス?」
「はい」
「トマト?」
「はい」
「たまねぎ?」
「いいえ」
「マヨネーズ?」
「はい」
「塩コショウ?」
...ん? まあいいや。
「はい」
「ほかには?」
「結構です」

松嶋菜々子さんのコマーシャルみたいでしょ?

出来上がったサンドイッチを真ん中でサクっと切って、紙に巻いてくれます。
その紙にマジックで金額が書かれ、受け取った後レジで清算します。
ちなみにそのときのローストビーフサンドイッチは $5 ちょっとでした。
どうして覚えているかと言いますと...

そのサンドイッチ、めっぽう美味くて「今日はサンドイッチを食べよう!」と思い立ったとき、いつもこれを注文したからです。
お昼に半分食べ、後の半分は夕食になります。700円くらいで2食食べられるので悪くありません。

観光でニューヨークへ行く方はサンドイッチを持って、セントラルパークや川沿いの公園に行き、ベンチに腰掛けて食べると良い思い出になるのではないでしょうか。
季節しだいですけど。

では、ローストビーフサンドイッチの注文の仕方をご紹介します。

Can I have a roast beef sandwich, please.
そして、相手に質問される前に...
I would like it, lettuce, tomato, mayonnaise and salt&pepper, on a (hero).

お店によっては hero という呼び方をしないところもありますので、もし通じない場合は (hero) の部分を、larger bread と置き換えれば良いでしょう。
多分「これでいいか?」と実物を見せてくれますから、よければ「Yes, please.」、大きすぎると思ったら「Something smaller, please.」で。

また、女性の場合は食べきれないかもしれませんので、roll をおすすめします。
roll はお店によって大きさがまちまちですが、呼び方としてはどこのお店でも通用しますよ!

さて、次はファーストフードのお話を。
海外生活に慣れないうちはファーストフードに頼りがちです。

マクドナルドに行くと何を食べられるか知っていますし、値段も $10.00 を超えることはまずないので安心感が違います!よね?
私はマクドナルドのほかには、バーガーキングをよく利用しました。

さて、これらのハンバーガー系ファーストフードのほかにニューヨーカーがよく利用するのは、屋台のホットドッグ、プレッツェル、デリのべーグル、そして断然多いのがピザです。

ピザ屋さんは街のいたるところで見ることができ、私も渡米直後からずっと気になる存在でした。

でも、注文の仕方がわからずお店の前で「やっぱりやめた」ということが何度かあり、初めてピザ屋さんを利用したのは6ヶ月ほど経ってからでした。

そのときは「今日こそピザを食べるぞ!」と覚悟を決めて出かけました。
 ...何て注文すればいいんだ?
 ...Can I have a piece of pizza, please? か?
 ...何か硬くないか?
 ...まいっか。今日こそ食べるんだ!

近所のピザ屋に入ると、注文待ちで並んでいる人達がいます。
私の前の南米系の青年が言いました。
"Give me a slice."

そっか☆

私の番が来ました。
"Give me a slice."
ヨッシャー!

こうして私は念願のチーズピザを初めて食べることができました。
若者のピザにトッピングは不要です!

結局私はこの日に食べたピザの美味さに完全にノックアウトされ、以降週に1度はピザを食べました。
そのお店でも一番売れるのはプレーンなチーズピザなので、これが一番回転率が良く、これを注文する限りかなり鮮度の高いものが食べられ、元が直径60~70センチはあろうかという特大サイズの1スライスは若い男子の空腹を満たすに十分なボリュームです。
しかも値段は $1.50 程度だったと思います。
当時の為替レートで200円くらいですから、最高です☆

ドリンクを注文しないのが硬派の流儀です。(笑)
他の客を見ていると、一人で来る客はドリンクは頼まず、席について2分くらいでピザをやっつけ、すぐに立ち去ります。家族やデートで来る客はドリンクも注文してそこそこ長居します。

ニューヨークのピザ屋さんは日本の牛丼屋さんのような存在で、なくなると困る人がたくさんいます。

ピザ以外に気になりつつもなかなかトライできなかったものがもう一つありました。
中華です♪

私の場合、中華料理に広東、四川、北京など...種類が色々とあるということを知ったのはニューヨークででした。
そして自分は広東が好きだということも知りました。

私が興味を持ったのはレストランといえばレストランなのですが、いわゆる着席してオーダー取りに来て...といったレストランではなくて、もっとファーストフード寄りの持ち帰りや、出前中心のお店でした。いわゆるレストランはそこそこ値段がします。
チャイナタウンならともかく、私が住んでいたアッパーウエストサイドの中華レストランはこじんまりした4席のテーブルに白やピンクのテーブルクロス、机上ローソク...といったデート仕様のお店が多く、中華らしい円卓を置いたお店はありませんでしたから、そんなお店で一人メシなんてする気にもならず、一度利用しただけでした。

では、話を今回のトピックであるファーストフード寄り中華に戻しましょう。

初めて食べたのはもう何度も登場しているアパートの階下の女性の部屋を訪ねていたときのこと、夕食どうする?という話になり、出前を取ろうってことに。...っていうか、当時私は「which one」と訊かれて「yes」と答えていたらしいので、ほとんど彼女が決めたんですけどね。

ピザ、コーヒーショップ(バーガーやサンドイッチを配達していました)、中華のメニューがあり、どれがいい?と訊かれた私は中華を選択。
でもメニューの中から何を選べばいいのやら、よくわかりません。
膨大な種類の中からシンプルな「チキン with ブロッコリー」を選んだのはチキンもブロッコリーも得体が知れたものだったからです。

彼女は受話器を持ち電話を始めました。
「cv中オk、l。;いう8yfrrgふいjkljbvctr」
...
「Thank you.」

あーっ!
メニューなんか見てる場合じゃなかった。
彼女が何と言って注文したか聞いていなかった。
しまったー!
自分が注文するときに困る~ (x_x);

その場で訊いて教えてもらえばよかったんですけど、そうしませんでした。
またこんな場面があるだろう...と思ったからです。
訊かぬは一生の恥ですね。結局そんな場面はもうありませんでした。

10分ほどで料理が届きました。
映画で見たことがある白い紙製の容器に入ったおかずとご飯。
(それぞれ別の容器に入っています)
ふたを開けてみると、今にもこぼれ落ちそうなほど目一杯詰め込んであり、近くのお店から持ってくるのでアツアツです。

ウマソー♪

一口食べて私は「チキン with ブロッコリー」の虜となりました。
その後最低でも週に一度、多いときは週に三度は「チキン with ブロッコリー」でした。
お店に行って、店員が私の顔を見ると注文しなくてもオーダーを通してくれました。
時々それが悔しくて、「フライドチキンもね」(笑)

そのうちにお店に行くのが恥ずかしくなって、1ブロックとなりにあったお店に浮気するも、味が合わずに(正妻は広東、浮気相手は四川だったので同じ「チキン with ブロッコリー」でも味が違うわけです)出戻ることに... そんな私の浮気を知ってか知らずか、アルバイトらしき少女店員はいつもの笑顔で迎えてくれて、またオーダーを聞かずに調理場に大声を張り上げます。

「オーダー訊いてくれよ... 今日はお腹が空いていてラージを頼むかもしれないじゃん...」

ある日、私は一つの決意を持っていつもの中華屋へ。
前回ランチを買いにとき、隣のヒスパニック系且つガテン系の兄さんが注文していた「フライドチキン with フライドライス」がすごく美味しそうで、「次はこれだ~!」と決めていたのです。
お店に着く。
いつもの少女はいません。 「ヨッシャー!」

「フライドチキン with フライドライス ください。」

B5サイズくらいの弁当箱のような容器に目一杯詰め込まれたチャーハン。
その上に油で素揚げした鶏のもも肉。
超ガテン系のランチです。

お店があるアムステルダムアヴェニューから、数ブロック歩き、リバーサイドパークへ。
街中の喧騒が嘘のようなリラックスした場所で、私のお気に入りスポットです。
ベンチに腰掛け、ハドソン川のゆるい流れを見ながら食べる弁当は最高!

さて、弁当の話...
フライドチキンは単品で食べたことがあり、チャーハンも食べたことがあったので、失敗はないはずでした。
ところがこれは失敗だったのです。
組み合わせが悪かった...
すごい量なのに、すごい油...
何とか最後まで食べきりましたが、その日は夕食を食べることができずに、ずっと気分が悪かったです。

「やっぱ チキン with ブロッコリー か...」

とにかくあのお店のブロッコリーの火の入り具合が絶妙でして、しっかり熱が入っているのにシャキシャキした食感がたまらなく好きだった私は、その後いろんなブロッコリーシリーズに挑戦しました。

ビーフ with ブロッコリー、 シュリンプ with ブロッコリー ...
でも、それぞれ味付けが違い(ビーフはしょうゆ系、シュリンプは塩系)、どれも チキン with ブロッコリー には及びません。
ソースがしっかりからまったブロッコリーのアフロ部分がまたひとつのハイライトだから、ソースの味は重要です。

「こまった。困った。コマッタ。 結局 チキン with ブロッコリー かよ。」

「ここは、いよいよ出前に切り替えていくしかなさそうだ。いやいや、前からわかってはいたんだけど電話で何て言ったらいいのかがわからなかったから買いに行っていただけ。あたって砕けろだな...」

~後日~

ピポパポ...

あたって砕けろでピポパした私。

「○○中華レストランです。」
「出前お願いします。」(Delivery, Please. と言いました。中1の1学期レベルですね...)
「はあ?」

ここでちょっと脱線します。
中国人(メインランドから来た人たち)は本当に「はあ?」と言うのです。
どんな場面でも、誰に対しても「はあ?」です。
「はあ?」に相当する英語を使うわけではなく、この文字を読んでいただいたとおりに発音します。
そしてそのときの表情が一様に「え~っ?わかんね~よ」と顔に書いたかのような感じです。
最初は誰でも「はあ?」と言われるとイライラすると思いますが、そのうちに場慣れします。(させられる?)
脱線ここまで。

...そっか。
発音が悪かったかな。
気を取り直して「出前をお願いします。」(もう一度、ただし発音に気をつけて Delivery, Please.)
「ご注文は?」

よっしゃ☆

「チキン with ブロッコリー をお願いします」
「他には?」
「要りません」
「当店のミニマムオーダーは8ドルです」

な、なんと?
~そういえば、メニューのどこかに8ドルがどうのこうの書いてあったな...

あせった私は...
「じゃあ、フライドライス」
~何言ってんだ?なんで白米がついてるものを頼んだのにどうしてよりにもよってチャーハンなんだ!?

「他には?」
「要りません」

「住所は?」
「○×□△」

「Thank you♪」

電話を切り、落ち込みまくる私...

15分ほどで料理が届きました。
会計が9ドル弱だったので、10ドル渡して「おつりは要らないよ」(Keep the change. って言います。)

このときの中国人配達係は本当にうれしそうな顔をします。
日頃メインチャイナ出身の人たちはほとんどニコリともしないので、チップをもらったときのウレシそうな表情はすごく印象的です。
彼らはそんな時、当時の私のような若造にも「Thank you, sir.」...なんと「サー」呼ばわりです。
(尊敬語というか目上の人に対して使います)

話を戻して...
単に6ドル弱の「チキン with ブロッコリー」が食べたいだけのことなのに、出前を取ると10ドルの支出を余儀なくされます。
これではそうそう頼めません。

よってそれ以降は3回店へ、1回出前というパターンでした。
考えてみれば、私がニューヨークで一番食べたのは「チキン with ブロッコリー」だったのですね。
次いでキャンベルの缶スープ、ピザ...

今の年齢でそんな食生活をしていたら即病気になるでしょうね。
若さってすばらしい!