ニューヨーク初日、無事ホテルに到着。
タクシー代を支払うため日本で両替してきた米ドルの出番です。
旅行慣れした方は良くご存知でしょうが、なるべく小額紙幣で行くほうが良いですね。
日本の銀行で両替してくれるパックになったものは使いにくいです。
もちろんそんなことは知らない私は、$50.00札を渡してお釣りを要求。
ガイドブックに書いてあった通りに計算して額を決めたのに、ブツブツと文句を言ってなかなかお釣りをよこさないドライバー。
言っていることがわかれば話のしようもありますが、私はサッパリわからないわけですから、彼が妥協するほかなく、最終的に私の言ったとおりのお釣りを受け取りました。
空港で乗るときには荷物をトランクに入れてくれたのに、降りたらトランクが空いていて、ドライバーは降ろしてくれる気がないようです。
仕方ないですね。
こうしてチェックインしたとき何時だったかは忘れましたが、午後の陽の高い時間でした。
初めての国際線は一睡もできず、ムチャクチャ疲れていたはずですが、それを越える極度の緊張により眠れそうにありません。
とりあえず外に出て、ブロードウェイ~コロンバスアベニューを散策。歩道にテーブルと椅子を並べたレストランがたくさんあります。憧れのオープンカフェ。
そうだ。何か食べよう。
外の席に座ると、ウエイトレスがやってきました。
メニューを見る... さっぱりわかりません↓
サンドイッチのセクションから一品とコーヒーを注文しました。何のサンドイッチだったのか、どんな味だったのか...全く覚えておりません。とにかくガイドブックの写真で見ていた光景の中に、自分が座っていることがエキサイティングでした。
お金を支払い、歩き始めたときにふと考えました。
今の食事代がチップ込みで $15.00... んっ? ということは日本円で...
ダメだ! ダメだ!
こんなことをしていたらすぐにお金がなくなってしまうし、これから自分がやりくりする中ではあり得ない高級レストランに入ってしまったんだ!(実はそうでもないが...)
ホテル代と今の食事代で $100.00 でしょ、タクシーでいくら払ったっけ?????
その後は何も楽しくない。
コロンバスアベニューは可愛いお店がたくさんあり、ウインドウショッピングも楽しいところですが、自分はこういうところで買物ができないんだ...と感じ、ひとしきり歩いた後ホテルに戻りました。
歩き疲れたせいか急に眠くなり寝ることに... zzzzz
目が覚めたのは夜中の3時。初めて体験する時差ぼけです。
今日やらなくてはならないことを考えるとまた激しい緊張が襲ってきて、もう眠れません。
仕方なく持って来たエレキギターを弾く...
隣の人に文句を言われたくないからなるべく小さな音で弾く...
すると外で誰かが大声で何か叫んでいます。
窓から見下ろすとニューススタンドのあたりで黒人が何かしています。
...なんで俺、こんなところに来てしまったんだろう。
こんなところで暮らしていけないよ。
今なら帰れる。またビデオ屋でアルバイトしよう。
いや。バイトの仲間は頑張れと見送ってくれたし、あそこには戻れない...
~そんなことを考えること数時間~
外が明るくなり、人が歩き始めました。
ヨシ!
私は今日しなくてはならないことがあります。
ニューススタンドに行ってニューヨークタイムス(新聞)を買い、アパートを探すのです。
新聞を買うのは簡単です。
気合を入れてニューススタンドへ。
この日は日曜日。
日曜版ニューヨークタイムスはあり得ない分厚さ。
アパート情報も充実しています。
私は新聞を買うとすぐに部屋に戻りました。
アパートの紹介欄を見つけ、ガイドブックで物件の位置を確認しながら検討します。
気になる物件が少々ありましたが、日曜日で休みの不動産屋が多いだろうから電話は翌日にしようと逃げる私。
なにしろ電話するには勇気が要ります。
でも、アパートへの入居が遅れれば遅れるほどホテル代がかさみます。
毎日 $100.00 も使っていては、すぐに所持金ゼロです。
そう思いながらも結局その日は電話に手を伸ばすことができませんでした。
翌日、月曜日。
昨夜も時差ぼけで夜中に目が覚め、ギターを弾く。
夜中なのに外ではパトカーのサイレンがけたたましく鳴り響いています。映画と同じ音。
10時になるのを待って電話の態勢。
~公衆電話は周りがざわざわしてきっと無理だ。少々高くてもホテルから掛けるべきだ。~
ここはひとつ勇気を振り絞って... ダイヤル!
そのとき言ったことは今でもはっきりと憶えています。
「ハロー アイアムルッキングアットニュースペーパー アイウォントゥーレントアンアパートメント」
「cvbんmdssg、gkbkじょ、lkもじw3jhygjjkぉ」←つまり聞き取れない...
「キャンナイビジットユアオフィス?」「ホエアアーユー?」
一応住所をメモりましたが、それがあってるのかいまいち自信がありません。
とにかく行ってみることに...
メモった場所に目当ての不動産屋さんはありました。
簡単な質問があり、「じゃあ案内します」と不動産屋の後継ぎが私に3軒見せて回ってくれました。
ニューヨークはとてもよくできた街で、アパート3軒を歩いて見て回れます。
そのうちの1軒に決めました。
「いつ入居できますか?」
「掃除をしますので3日後でいかがですか?」
私はあと3日もあのホテルにいるのは嫌だったけど、それ以上早くは無理だというので仕方なく了承する。
「あなたは外国人ですので、デポジット(敷金)を2倍の2か月分いただきたいのですが可能ですか?」
~デポジット2ヶ月、前家賃1ヶ月+αも支払うと持ち金がほぼなくなる。親からはさしあたってのお金をもらってきていて、銀行口座を開いた後当面の生活費を入金してもらうことになっていた。何とかならないか交渉したくてもうまく言えない。どうしよう...~
「OK。でもデポジットですよね。戻ってくるんですよね?」
「そうです。」
私は財布が空っぽになったせいもあるが、ひとつ前進した気分良い疲労感を伴ってホテルに帰った。
この日も時差ぼけで夜中に目が覚めてしまったが、昨夜までとは別の後悔に悩まされました。
「言いたいことが言えなくて生活していけるのか?」