2007年12月29日

海外駐在員というもの まとめ編

2回に分けて書いたエントリーでしたが、読んでいただきやすいようにこちらでまとめておきます。
一部修正と書き足しもあります。

「海外で仕事をしてみたい」と考える人はたくさんいると思います。

方法は2通りあります。
① 日本で就職し、その会社の海外支店、関連会社に派遣される。
② 海外に行ってしまってから就職活動をする。

もうひとつ、海外に行って起業するという方法もありますが、私には経験のないことですので何も書けません。
m(_ _)m

さて、私のオーストラリア行きは①でしたが、日本人観光客の海外旅行を手配する会社でしたから、他の業種に比べれば遥かに海外に出れる可能性の高い会社でした。
一般的にはそうそうチャンスが回ってくるものではないでしょう。

私の知人の中にはたくさん②を成し遂げた人たちがいますが、これはとても難しいことです。
一般に「ローカル採用」「ローカル社員」などと言われます。
そして収入面、待遇面ではどれだけがんばっても駐在員にかなわない側面がありますので、高いモチベーションを維持しつつ、同じ条件のはずの現地人よりクオリティの高い仕事をしていかなくてはならない、大変な立場です。

他の現地人スタッフと同じ条件で雇用されているはずなのに、「日本人だから」頼まれやすく、「日本人だから」結果を期待されます。

一方駐在員は、住宅補助があったり、給料が日本と赴任先とのダブルで出たり、条件は会社によってそれぞれですが一般的にローカル社員より優遇されます。
仕事的にも現場でバリバリやるというよりは、ローカル社員への指示、監督が業務のほとんどとなります。

しかし、駐在員はいつどこに移動になるかわからない中で仕事、生活をしていかなくてはならず、本人にしてみれば「地に足のついていない」生活だともいえると思います。
日系企業の場合、3年をひとつの区切りとする風潮があり、駐在員も在任期間が3年に近づくとまわりからも「そろそろ移動ですかね」と言われるようになります。
そして移動命令が出るのですが、次の赴任先を自分で選べるわけではありませんので、西洋文化圏で仕事をしたいと思っても、実際にはそうならないこともあるでしょう。

ですから、何かひとつの仕事に打ち込みたい、何かを成し遂げたいという志を持った人が駐在員になるとフラストレーションが溜まります。
任期が3年あるとしても、赴任後すぐに全力疾走できるわけもなく、家族がいたりすると新しい環境に適応するのに半年かかってしまうこともあるでしょう。
すると落ち着いて仕事に専念できるのは2年半しかありません。
そして移動...
その繰り返しです。

一般的に2年半という時間は、何かひとつの仕事に打ち込む、何かを成し遂げるには短いように思います。
差し詰め前任者から受け取ったバトンをそつなく後任者へ繋ぐのが限られた時間でできることかもしれません。

というわけで、自分は海外でこういう仕事がしたいといった明確な目標がある人は「ローカル採用」を考えてみてはいかがでしょうか?

採用までの難題をクリアすれば...
 ・自分の希望する国で働ける
 ・現場仕事に打ち込める
というメリットがあります。

反面、忘れてはならないのは自分の待遇と駐在員の待遇を比較しないことです。
そして、それは自分だけでなく家族にもいえることとなります。
自分も家庭を持ち、家庭持ちの駐在員が赴任してきた場合に、妻同士、子供同士のつきあいが少なからず出てきます。
赴任したばかりの駐在員の家族は右も左もわからない場合が多く、同じ日本人だということで何かと頼りにされるので、「最初からつきあわなければいい」とはまいりません。

では、その差がどのようなものかと言いますと...
例えば、先日テレビで観たのですが、イタリアのフィレンツェの平均年収は東京の約半分だそうです。
ということは、○○商事フィレンツェ支店の駐在員はローカル採用社員の2倍の給料を貰っていて普通で、そのうえ住宅補助や現地の保険代、場合によっては所得税現地徴収分の会社負担などの優遇があるので、実際には2倍以上の差となります。

これはもう、明らかに生活レベルが違うことになります。
自分は中古のフィアットを何年も乗っているのに、駐在員はメルセデスやBMWあたりのステーションワゴンを新車で購入ということもあるでしょう。
休日の過ごし方も違うでしょう。

駐在員が自分と同い年だったり、年下だったりすれば、尚更自分の立場に迷いを覚えるかもしれません。

そういう現実を左に受け流すことができれば、ローカル社員として海外で暮らすことで人生をより楽しめるかもしれません。

若いころに「海外で仕事したい」と計画した場合、ワーキングホリデーで渡り、バイトで認められて社員に...というのがひとつの道になると思います。
運良く、そして努力が実ってその環境を手に入れることができても、ここで私が書いたような現実もあるということを最初から理解していないと、いずれ別の道を模索しなくてはならなくなります。

若いうちは自分で自分を若輩者として受け止められるので特に気にならないと思いますが、自分が30代になると、20代の駐在員が来たりしますので、自分より若い者に使われることを「気に入らない」と感じてしまう人にはいずれ無理がくるでしょう。

それから日系企業とはいえ、海外支店は別会社(現地法人)ですから、退職金がない場合がほとんどです。

駐在員の場合にも注意点はあります。
引越し貧乏には特に注意しなくてはなりません。
赴任先で贅沢が身についてしまうと、日本に帰ったとき「何でこれだけしか貯金がないの?」ということになりかねません。

例えば私の場合、赴任後すぐにクルマを購入。
銀行のオートローンを利用しました。
移動命令が出て、クルマを処分しなくてはならなくなりました。
次のクルマを買う予定はないので「下取り」ではなく「買取り」となるわけで、当然査定額は「下取り」の相場を下回りました。
時間がないので委託販売もできません。
こういう場面で買い叩かれるのは古今東西を問わず世の常です。
結局購入したディーラーに買い取ってもらいましたが、ローンを完済するのに別途100万円の現金が必要でした。

日本に持ち帰ることも考え調べてみましたが、安くすむ方を選んだ結果、処分となりました。

私はアパートにカーテンすらつけず、会社から支給されたベッドとチェスト以外何も持たず、皿の一枚もありませんでしたから、その程度で済んだといえるかも知れません。

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